教師は素晴らしい仕事

教師は素晴らしい仕事です。

「何回生まれ変わっても教師になりたい。」

これは私が師事する向山洋一の言葉です。
私もそう思います。

一方、教師の仕事はブラックだという人もいるようです。
17時を過ぎても帰れない、土日も仕事がある、モンスターペアレンツや学級崩壊その他への対応・・・
そうした面も確かにあります。
政治が変わらないと無理。
入試が変わらないと無理。
そういった声もまた、あるかもしれません。

でも、専門職として、今すぐ対応できることもたくさんあるはずだと私は思うのです。
それには、大きく次の２つの力をつければ良いのです。

①いい授業をする力
②教育課程を編成する力

①は専門職としての知識・技術・技能を学び、しっかりと身につけるということです。
②は学校に合理的なシステムをつくり、チームで意図的、組織的、計画的に教育にあたるということです。
教師の力量はこの２つに尽きます。

もちろん、この２つの力量を上げることも簡単ではありません。しかし、その方法は確かに存在します。
それを、できるだけ分かりやすく、できるだけ多くの方に伝えていきたいです。

このメルマガは、
１）向山洋一が蓄積した書籍、手書きノート、音源、映像、その他の膨大な資料をもとに、
２）今の時代に必要な「教師の専門的な力量」を炙り出し、
３）その身につけ方を具体的に示す
ことをめざしています。

教師のキャリアアップ

教師になったものの、数年で辞めてしまう人も増えています。
教師として学んだ知識・技能を活かし、別のフィールドで日本の子どもたちの未来のために汗を流し、更に価値あるお仕事を創ろうとして下さるなら、大変うれしいことです。
私も22年間教師をした後、師である向山の推薦で大学教員になりました。
私の身近で一緒に勉強している教師の中にも、教育研究者や大学教員、あるいは別の職種をめざして今から準備をしている人もいます。 堀田龍也氏（東北大学）も、次のように話されています。
「ほぼ半世紀ほど日本を支えてきた終身雇用制は終わりつつあり、今や「転職」、即ちキャリアチェンジにより、自分の人生を切り拓くことが当たり前になりました。民間企業から教員への転職や、教員から別の職業への転職も、今では少なくありません。」

（出典：教育家庭新聞2022年6月6日）

ただ、ポジティブに辞める人ばかりではありません。
教師の仕事がちょっとキツい、クラスが上手くいかない、同僚と上手くいかない…
耐えきれずに数年で、時には１年目で辞めてしまう人がいるのは、やはり残念です。
教師は簡単でお手軽な仕事ではありません。
向山の著書に『教師修業十年』があります。
文字通り、プロフェッショナルな実力を身につけるための十年の修業という意味です。
向山のような飛び抜けたカリスマ教師でさえ「十年」と言っているわけです。
私の場合は、自分の感覚的なレベルですが、
「少しつかめた」
「新しい景色が見えた」
と微かに感じるまでに十二年かかりました。
若い先生方がキャリアチェンジしていくのは否定しません。
しかし、
「プロだけに見えている世界」
いわゆる
「泣きの入った腕」
を持つ職人の視野。
その片鱗ですら全く知ることなく辞めていくのは寂しいようにも思うのです。

このメルマガでは、なにか仕事に対する「哲学」のようなもの、先生方が教職のレベルを上げるモチベーションを持ち続けることができるエネルギー、そういったものも同時にお届けできればと思います。
このメルマガを通して、全国の先生方との「ツーウェイ」的な交流が生まれるなら、願ってもないことです。